教授と僕の研究人生相談所



第18回(更新日:2014年4月7日)

STAP騒動を『教授』が斬る! 2ページ目/全2ページ

教授「でも人と話すときはSTAP細胞がない理由を事細かに説明しない方がいいぞ。うっとしい奴と思われるだけだからな。無駄に波風を荒立てる必要はない。適当に『STAPあるといいですね〜』って誤摩化しておきなさい」

僕「・・・はい。でも教授、教授はいつからSTAP論文が捏造だと思ってたんですか?もしかしてNatureに論文が載る前からですか?ほら、これとかこのメールにあるように、『教授はSTAP騒動の問題を最初から知ってたんじゃないですか』、っていう声が結構あるんですよ」

教授「このメールの『ムーミンポエム』って何だ?」

僕「えっと、『2ちゃんねる』でもSTAP騒動は盛り上がってるんですが、そこで時折ムーミンが主人公のポエムが投下されるんです。この騒動のかなり初期から見られてて、内容が内部告発っぽいんですが誰が書いたかわからないんです。でも、ポエムの内容がかなり正確なので、理研内部とかSTAP研究に相当近い関係者じゃないかと言われてたんです。で、読者の中には『ムーミンポエムの作者が教授では?』と思ってる人がいるようなんです」

教授「・・・」

僕「え、もしかして本当に教授が書いたんですか?」

教授「違うよ。呆れて言葉が出ないんだ。何回も言ってるが、俺は全くの部外者だ。俺みたいな飲んだくれなんか、エリート研究者様達は誰も相手にしないよ」

僕「そんなことないですよ。でも教授、だとすると教授はいつからSTAP論文がおかしいと気づいたんですか?」

教授「いつ頃だったかな。まあ最初は俺もスゴい研究成果が出たもんだと思ったよ。何かの間違いかとも思ったがな。実際論文を読んでみても信じられない、と思った記憶がある。若い細胞を使ってるから何かの手違いで多能性を失っていない細胞が混ざっただけかなとも思ったが、まあそこら辺は色々と調べてるだろうと思ったし、筆頭著者は若くて無名でも共著者のメンバーは超一流揃いだったから研究内容はホンモノだと思った。それに理研が大々的に宣伝したからな。ま、俺も普段は偉そうに『論文の内容を見て中身の善し悪しを判断しろ』『著者の名前や雑誌のランクだけで研究内容を決めてはダメだ』みたいに言ってるが、何のことはない、俺自身が一番甘かった。反省してる」

僕「では怪しいと言われはじめてから、教授もSTAP論文は何かおかしいと思うようになったんですか?」

教授「そうだ。だが、Nature論文の胎盤画像の使い回しがありそうだ、とかという時点では、まだ単なるミスなのかなと思っていた。でも、博士論文の図を使い回しているのが見つかった時点で、ようやくこの論文がおかしいと確信が持てたよ。まあ、山梨大の教授の発言と同じような感じかな」

僕「山梨大の教授、目が死んでましたね」

教授「彼は、2つの該当論文の片方のラストオーサーでありコレスポでもあるから、今回の問題の責任は重い。だが、それでもやっぱり同情はしてしまうね。俺とは違って優秀で真面目な研究者なようだから、きちんと責任を取った上で、また研究の第一線に戻って来てほしいと思う。それにしても、STAP論文の理研の宣伝はすごかった。あれはプロの仕業だよ」

僕「プロ?」

教授「ああ、宣伝のプロだ。Natureに2つも同時に論文が載るというのは確かにすごい。研究内容も一般の興味を引くものだった。だが、それにしても、あの騒ぎ方は異常だ。裏に宣伝のプロがいたと考えるのが普通だろう。ま、宣伝のプロではあったが、研究のプロではないから変なところは沢山あった」

僕「変なところ?」

教授「まずは割烹着だな。あんなの研究者は着ないよ。というか着てはいけない。安全性の問題があるからね。理研はあんな格好での実験を許可してるのかと驚いたね。理研の内規はどうなってるんだろうかと思ったが、すぐに演出の一環だと気づいた。スッポンなんて実験動物以外のものを実験室に入れてることからも明らかだったからね」

僕「壁をピンクとかムーミンの張り紙もですか?」

教授「ま、ムーミンの張り紙くらいならば、教授(*注:一般名詞の教授という意味です)のお気に入りのブリッコ学生が可愛いアピールのためにやったりもするだろう。が、割烹着、スッポン、壁、ムーミンと揃っていたら、何かおかしいと感じるのが普通だ。研究室に毎日通っていてもその違和感に気づけないくらいの鈍い感性であるならば、その人は相当気をつけないといけないな」

僕「気づけませんでした・・・」

教授「壷とか買うなよ」

僕「・・・気をつけます」

教授「まあ、理研CDBはかつても若い研究者をアイドル研究者として売り出したことがあるからな。あそこには、そういう文化があるのかもしれない」

僕「え、そうなんですか?」

教授「ああ、あのときもテレビでの番組はおかしかった。一般人向けだから、ある程度は仕方ないがな」

僕「そうだったんですか。でも、STAP騒動はすごかったですね」

教授「ああ、間違いなく研究業界の中で歴史に残る大スキャンダルだよ。もしかしたら、まだ爆弾が眠ってるかもしれない。あの女性は研究業界のパンドラの箱かもな」

僕「下ネタで恐縮なんですが、筆頭著者の人は共著者の偉い人たちと性的関係はあったんでしょうか?」

教授「俺が知ってると思うのか」

僕「いやまあ知らないとは思うんですが、教授のお考えを・・・」

教授「そんなの聞いてどうする」

僕「いやまあ何となく。週刊誌とかネットだと、そういう方面も盛り上がってるので・・・」

教授「くだらんな。まあ俺はなかったと思う。筆頭著者のことはテレビでインタビューを見たのと、どっかで留学時代か学生時代の写真を見ただけだが、ああいう雰囲気をまとった女性と言うのは、自分の目的を達するために女性の魅力を使うことはしても体までは簡単には許さない。共著者のお偉いさんたちも、闇雲に女性に手を出すような感じではなさそうだった。ま、そんなのはどうでもいいことだろう」

僕「教授の研究室にああいうタイプの人が来たとして、色仕掛けされたら落ちますか?」

教授「ああいうタイプの人は俺には色仕掛けしない。色仕掛けする価値が俺にはないと気づくからね。彼女たちは賢いよ、君なんかよりもずっとね」

僕「・・・」

教授「まあ、こんなもんでいいだろう。読者の中に勘違いした人がいたかもしれないが、俺はうだつの上がらないダメ教授だ。STAP騒動の裏事情は全く知らないし、予知能力なんてのは全くない。だから、今後はそういうメールは送らなくても良い。読者にとって時間の無駄になるからね」

僕「でも普通の相談は大歓迎です」

教授「俺に相談しても意味はないけどな」

僕「そんな・・・。でも、今日はどうもありがとうございました。教授にSTAP騒動のことをじっくり聞きたかったので、スッキリしました」

教授「ふん、忙しいのに変なことに付き合わせおって。次回からはきちんと相談に答えるぞ」

僕「はい」

教授「あ、そうそう。この間君に教えてもらった研究者マンガのブログ見たよ。面白かったな。研究者としても漫画家としてもプロというのはスゴいと思う。ラボノートとかいうマンガが更新されたら俺にきちんと教えてくれよ」

僕「はい。でも教授、ブログのマンガ全部読んだんですか?」

教授「ああ、面白かった」

僕「全部ですか?教授ってもしかして本当はひm・・」

教授「よし、今日はお開きだ!帰ったら論文の続きを書かないといけないからな。あー忙しい忙しい」

僕「・・・」

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執筆者:「尊敬すべき教授」と「その愛すべき学生」

*このコーナーでは「教授」への質問を大募集しています。質問内容はinfo@biomedcircus.comまでお願いいたします(役職・学年、研究分野、性別等、差し支えない程度で教えていただければ「教授」が質問に答えやすくなると思います)。

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