教授と僕の研究人生相談所



第23回(更新日:2014年6月16日)

もてない男の僻みほど格好悪いものはない(副題:STAP捏造が世界三大捏造だというのは『まやかし』だ) 1ページ目/全2ページ

僕「STAP騒動、大変なことになっていますね。理研CDBの解体も視野に入りそうですが、どうなんでしょうか」

教授「知らん」

僕「・・・つれない返事で会話をぶった切らないでください」

教授「知らんものは知らん。前にも言ったが、俺はもうSTAP騒動には興味ない」

僕「でも、STAP論文は世界の三大捏造になったらしいですよ」

教授「ほぉ、STAP騒動は今やそんなことになってるのか。だが、世界の三大捏造とは大げさだな。他の二つは何だ?」

僕「えっと、たしか韓国のES細胞に関する捏造と、ベル研究所だかどこかの超伝導の捏造だったと思いますが」

教授「その二つとSTAP捏造が同列に扱われてるのか?にわかには信じ難いな。その二つの方がよっぽど酷い捏造事件だったと思うがね。で、誰が三大捏造というのを決めたんだ?」

僕「えっと確か理研の改革委員長が会見で『欧州の友人がSTAP捏造は世界の三大捏造と認識されてきたと言っていた』と言ったんです」

教授「欧州の友人?誰だそれは」

僕「えっと、名前は出ていないです」

教授「名前は出ていないだって?その改革委員が誰だか知らんが、その人間の個人的な友人からの非公式な連絡で『三大捏造と認識されている』とされただけでSTAP捏造は世界の三大捏造だと言えるのか?」

僕「えっと・・・」

教授「ふん、くだらんな。確かにSTAP論文の捏造は酷いものだった。だが、あの程度の捏造なんて世の中に溢れているよ。日本であった捏造事件を軽く振り返るだけでも、STAP捏造と同等以上の捏造研究は簡単に見つかる」

僕「え、そうなんですか?」

教授「遺伝子改変マウスがいないまま実験データを捏造して論文にした事件は知ってるか?あれも酷いもんだった。それに、RNAiの配列を適当に書いて何報も論文を出した研究室もあったし、研究室ぐるみで何年にも渡ってwestern blotの切り貼りを行ったいたということもある。そういう捏造研究もNatureとかの一流雑誌に出ていたんだぞ」

僕「はぁ・・・」

教授「さらに海外にまで目を向ければ、そういうレベルの捏造論文なんて珍しくない。ノーベル賞受賞者の過去の論文に意図的な捏造をしたデータが含まれてたことだってあるんだ。それなのに、STAP論文を敢えて世界の三大捏造の一つだ、なんて騒ぎたてるのは、日本の研究業界をいたずらに貶めるだけだ。理研の改革委員がどれだけ偉いのか知らんが、彼らは自分たちの発言が日本を貶めるリスクがあるということを理解してやってるのか?」

僕「一部のマスコミなんかは、喜んで報道しそうですね」

教授「日本を貶める意図があってやってるのだとしたら効果はバツグンだな。世界の三大○○なんてのは、ある意味で言ったもの勝ちだ。だから、STAP捏造は世界の三大捏造だと言い続ければ、それは事実になるだろう。ま、俺は日本の研究業界が落ちぶれようがどうしようが、自分の職を失うことには繋がらないからどうでもいいけどな。定年を待つだけの老害研究者という立場はこんなにも気持ち的に楽だとは思わなかったな」

僕「・・・」

教授「STAP騒動ってのは結局、地位と金と権威と名声に目が眩んだ人間たちが、自分たちの能力を過信して突き進んだ結果、特大の落とし穴に落ちたというだけの話だ。ま、落とし穴に片足突っ込んでいながら、それでも落ちないようにしがみついている人間もいるようだけどな」

僕「え、誰ですか、それは?」

教授「それを俺の口から言うのは無粋というものだ。ま、少なくとも理研CDBは解体しないよ」

僕「え、そうですか?」

教授「ああ。もしかしたら表向きは解体という形を取るかもしれない。だが、そうだとしても、内側は一緒だよ。外身とか上層部の一部を少し変えるだけだ。今は誰をスケープゴートにして問題を収束させるかで交渉が行われているよ。あんな巨大で高額な箱ものの中にいる高学歴な研究者たちの集合体をいきなり解体なんて出来やしないよ」

僕「はあ・・・」

教授「だがな、STAP騒動なんかよりも、俺はノバルティスの捏造の方がずっと問題だと思うぞ」

次のページへ

ページトップへ戻る

Copyright(C) BioMedサーカス.com, All Rights Reserved.