医学生物学系のPh.D.研究者として企業で生き抜く方法



第11回(更新日:2012年11月10日)

会社外との人脈を構築するための準備 2ページ目/全2ページ

「名刺を作る」ということは、特に問題ないと思います。研究職とは言え、通常は会社が名刺を作ってくれます。研究職の場合は名刺を作るのは自腹だと言う会社があるかもしれませんが、仮にそうだとしても、それは必要経費なのでぜひ注文して作ってください。

 ただし、名刺の注文というのが自分の職場(研究所もしくは研究グループ)で珍しい場合は、一人だけ勝手に注文するのではなく、なんとなく周りを巻き込んで「目立たないように」みんなと一緒に発注することをお勧めします。

名刺を作るときに忘れてはいけないのが、「博士号を持っている」ということを名刺に明記することです。日本語でならば農学博士や薬学博士など、英語ならばPh.D.という表記があることを確認しましょう。また、出来ることならば表が日本語、裏が英語の名刺を作りましょう。社外との人脈は日本人だけとは限らないです(むしろ日本人以外の人脈も積極的に作るべきです)。

さて、二つ目の「自分の専門分野を確認する」ですが、これは会社にいる日本人研究者ですと意外と難しいようです。なぜならば、日本的な会社では、未だに社員をスペシャリスト(ある専門に特化した社員)よりもゼネラリスト(万能型社員)に育てることを好む傾向にあるからです。ただし、仮にゼネラリストとして育てられていたとしても、何の問題もありません。要は、社外に自分を知ってもらうときに、どのように自分を売り込むかということを決めればいいだけです。

もちろん、全く関係ない分野を自分の専門分野だとするのはお勧めしません。そのような嘘はいずれはばれてしまうからです。やはり自分がやってきた研究分野で個人的にも興味のあるものを「自分の専門分野」とするのが良いと思います。これは、一生変えられないものではないので、それほど深刻に悩む必要はありません。

そして、「自分の専門分野」をより明確化するために「自分の履歴書をつくる」ということを私はお勧めします。このことは次回に詳しく紹介しようと思います。

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執筆者:川口隆史

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