とあるM2のひとりごと
Tweet第3回(更新日:2013年2月25日)
学生がテクニシャンに実験をお願いしてもいいの?
おはようございます、こんにちは、こんばんは。
修士論文も無事に終わり、やっと解放されたー!
と思うと同時に、これで社会人になるんだなぁ、最後の学生生活だなぁ、ってしみじみしています。
悔いの残らなないように、といろんなひとに言われました。
しっかり、悔いを残さないように、ちゃんと学生を卒業したいです。
さて、今回書くのは、学生がテクニシャンに実験をお願いすること、に関してです。
大学院に進学して、一番びっくりしたのは
試薬がすでに大量に作られて置いてあったり、
チップがすでに詰められてたり、
洗い物もほとんど自分ですることがなかったり、
自分でやってためんどくさい、たくさんのことをテクニシャンの方がやってくださってたり、
専用のバイトの人がいて、やってくださってることです。
私が4年生まで過ごした大学は地方の国立大学だったので、
「テクニシャン」という、肩書きの方は1人もいませんでした。
だから、初めは…なんだ、この肩書き!みたいな衝撃がありました。
お金があるってすごいな・・・と思って、思わず4年生のときの研究室の同期にメールをしたのを覚えています。
「あたし、明日からLBプレート作らんくていいし、洗い物もせんくていいんやけど、何この大学。怖い」
って送った気がします。
どこの研究室でも当然、研究室のトップであるボスが、
コレはテクニシャンの方にやってもらうお仕事、と決めていることがちゃんとあると思います。
それに関して何かを言おうというわけではなく、
それ以外の「学生が自分でやるべきなんじゃないの?」
ってことを、テクニシャンの方が代わりにやってるのをたまに見かけます。
多分、テクニシャンの方から「手伝いましょうか?」
って声をかけて、ってこともあると思うんですが、そればかりではないようで。
あるとき、仲良くしているテクニシャンの方が結構な量の細胞をpassageされてて、
「すっごいいっぱいありますねー。」
って話しかけたら、
「いや、これとかこれは○○さんの細胞なんです。いつの間にか私のインキュベータに入ってて・・・。
私がいつの間にか飼うことになって世話してるんですよね。」
というのを聞いて、思わず (゜Д゜) ←こんな顔になってしまいました。
おいおい、先輩、自分の細胞ぐらい自分で飼えよ、と。
またまた、あるとき私がウエスタンをしてた時、テクニシャンの方もウエスタンをされてました。
とある講師の方の下で働かれているので、講師の先生に頼まれたものをやってるのかと思いきや、
「サンプルを○○さんから渡されてやってるから、抗体どうするか聞いてこないと。
先生じゃないから・・・メモがよくわからなくて。」
とぼそり。
おいおい、先輩・・・あんたさっきデスクでのんびり座ってたじゃないか・・・自分でやれよ、と。
どうなんでしょうか?
それで、ボスがいい、って言うならいいんでしょうが、
正直私はよくないんじゃないかなぁ、って思います。
私たちは所詮「学生」です。
学部生だろうが、修士過程の学生だろうが、博士課程の学生だろうが別にそんな大きな変わりなく
「学生」なんです。
やっぱり、いろんなことを勉強しなければならない身分であって、
何もかもが完璧にできるような研究者じゃありません。
まだ「研究者のたまご」だと思うんです。
だから、いくらルーチンワークでもうそんなの出来るようになってるよ、
ってことでもやっぱり自分でやることが、それも勉強なんだし、
当然だと思います。
「学生の分際でテクニシャンの方に実験頼むとか100年早いわ」
と私は思います。
学生の頃からそんな自分でも出来る範囲のこと頼んでたら、
「それが当たり前」になってしまいませんか?
例えばポスドク、または就職先で行く先が今いる研究室と同等かもっと環境が整っているところならば
それが当たり前になっていても「またやってもらえばいい」のかもしれません。
でも、そんなところばっかりじゃないはずです。
今いる研究室よりも設備的、環境的に悪い研究室に行くことになったらどうするのでしょうか?
それが当たり前でないことに初めて気が付くのでしょうか?
テクニシャンの方がやってしまった方が、
結果ももしかしたらすごく綺麗なものが出るかもしれない。
色々やることがあって、手が回らなくて、テクニシャンの方にやってもらった方が自分としては楽かもしれない。
でも、学生なんだから、
そういうのも全部経験してから、研究者になればいいと思います。
ちゃんと、経験したからこそ、上に立つ人になった時の説得力や信頼感、
そして自分の下で実験する学生の気持ちをもっと理解できるようになるんじゃないでしょうか?
さて、私は最後の発表の準備に戻ろうかと思います。
学生生活の集大成です。
ではでは、また次回(・∀・)ノ
執筆者:研究者を目指していたとあるM2