Nature/Scienceのニュース記事から



第53回(2013年10月5日更新)

ロボット脚(robotic leg)で歩行可能に

交通事故で足を切断した男性が、このほど初めて自分の意志によりロボット脚を動かすことに成功した。New England Journal of Medicineには、この患者が人口足を使って階段や坂道を上り下りしたり、ボールを蹴ったりする様子を映した動画も掲載されている。

これまでに、腕が麻痺した患者がロボット腕を自分の意志で動かせたことや、健常人が脳により制御されたロボット脚で歩けたことなどは報告されている。今回は、さらに一歩進んで、足を動かそうとしたときに脳から送られるメッセージを増幅するのに筋肉のシグナルを使っている。

この男性の膝下を制御していた神経は太ももの筋肉へと繋ぎかえられ、さらに膝下のロボット脚にセンサーが埋め込まれている。このセンサーは、もともと太ももにある筋肉から出る電気信号と神経をつなぎかえた筋肉から出る電気信号を測定する。これら電気信号の測定値とその他の情報を合わせることで、センサーのみの場合よりも正確に足を動かすことができるという。

この技術により、リモコンを操作したり、ロボット脚に動作の種類を切り替えさせるために大げさな動きをしたりする必要がなくなる。足を切断した他の患者にも、3~5年以内にこの技術が適用できることが期待されている。

http://www.nature.com/news/rewired-nerves-control-robotic-leg-1.13818

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