Nature/Scienceのニュース記事から



第68回(2014年5月14日更新)

ミネソタ州で新生児の血液サンプルの保存を再度許可する法案が可決される

ミネソタ州で、新生児の血液サンプルを研究用に保存することを再度許可する法案が可決された。今年(2014年)8月に施行される。

出生直後の基本的な検査のために採取された新生児の血液を保存するということは過去に行われていたが、2011年に最高裁でそのような血液の保存は遺伝子プライバシー法に反するという判決が出された。これにより、1997年にまで遡って100万人以上の新生児の血液が破棄された。今回のミネソタ州の新しい法律ではそれを覆して、血液を無期限で保存することが認められる。

この法案の支持者たちは、これらの血液を用いた研究は子供の健康を推進するためのものであると言う。ミネソタ大学のあるウイルス学者は、小児の難聴を引き起こすサイトメガロウイルスというウイルスについて研究している。彼は過去には新生児の血液サンプルを用いてその子供がサイトメガロウイルスに感染しているかどうかを調べていたが、2011年の最高裁判決以降は、子供の親からのそういう依頼を断らざるを得なかった。彼は、「今回の歓迎すべき法案は、親が子供のために決断をする自由を与えるものである」としている。 

新しいこの法律のもとでは、親は子供の血液サンプルを保存しない選択もできる。しかし、この法案に反対してきたCitizens’ Council for Health Freedomの代表は、親は血液サンプルがどのようにして研究に使用されるのか必ずしも知らされないであろうことや、親が望まない種類の研究もあるであろうことを指摘している。彼女は、血液サンプルを保存するのは「私有財産の差し押さえ」に等しいと言う。 Citizens’ Council for Health Freedomはこの法律に対する戦略を練っている最中であり、何が起きているのか親たちにもっと気づかせていこうと考えている。

http://www.nature.com/news/minnesota-to-resume-storing-newborn-blood-samples-1.15161

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