Nature/Scienceのニュース記事から



第71回(2014年7月19日更新)

人はひとりで思索に耽るのを嫌う

多くの人は、ひとりで何もすることなく考え事をするぐらいならむしろ身体的な痛みを受ける方がましだと感じるという研究結果がScience誌に掲載された。

409人の大学生にスマホをしまい込んでもらい、物の少ない部屋で15分間何もしないでいさせると、その後の調査で半分近くの学生が苦痛だったと答えた。

これは、その15分間に何を考えるかを思いつかなかったせいである可能性もあったので、次に、前もって何について考えるか決めておくよう指示しておいたが、それでも結果は同じであった。

次に、その何もしない15分間がどれほど苦痛だったのかを調べた。被験者たちに弱い電気ショックを与えて痛みを感じさせた。この電気ショックは、被験者の4分の3が、同じ電気ショックを再度受けずに済むならお金を払ってもいいと思うほど不快な物であった。しかしその後、被験者たちは部屋の中で15分間何もせずにいるよう指示されると、男性の67%、女性の25%が、何かすることはないか探して自主的に電気ショックを自分に与えた。

ひとりで何もしないでいることがそれほど苦痛なのは、1つのことについてある程度の時間集中することが難しいからではないかと著者らは考えている。その15分間が良い経験であったと答えた被験者は好きな人との将来の出来事を考えている者が多かったのに対し、15分間が苦痛であったと答えた被験者は、仕事のことを考えている者が多かった。

また、大学生だけでなく、教会や農産物直売所で集めた広い年齢層の被験者においても同じ結果が得られた。

著者らは、「上の空の精神状態」を制御する方法を探っている。日常生活におけるちょっとした時間にそれができるようになれば、ストレスを軽減できるのではないかと考えている。

http://www.nature.com/news/we-dislike-being-alone-with-our-thoughts-1.15508

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